伝言

- 希望何処に在るの? -

其の意味も知らずに

 口にする幼い私は、、、

- 皆、皆

  幸せだと言って

   この場所から去っていく -

其れが寂しいのか

其れが悲しいのか

 喜ぶ宴の席に

  呼ばれる事の無い私は

   一つ一つ大切なものを失っていく

- 希望をもって

   生きて下さいね -

 

 あの人がそう言った

  此の牢屋の中に住む

   偏屈姫の為に

 其れからあれから

  どれだけの年月が経ったのだろう

 - 私は人間としての価値を与えられず

    王族の中の忌子として

   存在無き存在する疫として生きてきた -

 夜はミミズクの鳴き声と共に

  時に悲し気に

  時に勇敢に

 聴こえる 様々な鳴き声に癒され生き

 昼は 森から漂う

  涼し気な風に乗り

   不思議な匂いに

    心が満たされた

 朝は早鳴き鳥と共に起き

  貰った食べ物を分けながら

   一緒に食べた

 小鳥は此のばしよに入れない

  鉄格子はそれほどに

 私が他のものと接触するのを恐れて作られのだから

 空から巨大なものが落ちて来た

 そして 失敗したーと 落胆した声がした

  もう少し手加減すればよかったーという声と

   其の相手が私を見て

 - オィ お前

   ずっとこんな所にいるの?つまんなくね?

    詰まんねーと思うなら一緒に行くか?

     それくらいは自分で決めろよ? -

  其の言葉に

   遠い昔彼が口にしてくれた

    未来を感じた

  私は慌てて其の男に飛びつき

   必死にしがみついた

 

 -とんだヘマをしただけじゃーなく

   要らん拾いモノをしたが ま、いっか -

 なんて軽々しく口にする男に

  転移というもので移動して

  今 幸せに居る

 好きな事は出来る限り精一杯しろ

 元王族とかそんなのかんけーねーから

 此処ではそれくらい出来なきゃ

  ほっぽりだすぞ?

 其の言葉で勇気が湧く

 そして 自分が閉じ込められた理由を

   此処で開放的に吐き出す

 余りやり過ぎると 止めに来られちゃうけど

  でも 嬉しいんだ

 - 役に立たないって事が

    逆に役に立つ時が来るんだ

     今は其の時ではないだけで

      其の時が来たら思う存分暴れ回れ -

  うん。そうするよ

    寛大にも脱獄した姫の一人が

      憲兵の中に居る事はばれているだろうけれど

        之が彼らにとって親族にとって

         一番 心の中で安堵のため息をつけた事だろう

  私は生きる。強く在る為にも弱さを忘れない

   脆くても強かに在る。

  勇気を失いかけ震えてばかりいるような

   健気な少女じゃないのだから

  此処に着て良かったと思うよ

   未来は何処に在る?ときかれたら

    今は此処だけど本当は此の先だと

  もう一度会えたなら

    貴方に伝えたい

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