湘南テアトロ☆デラルテ「即興仙人 〜ア・ラ・モード〜」

湘南テアトロ☆デラルテ マンスリーシアター

「即興仙人 〜ア・ラ・モード〜」

2017年7月22日、23日

今回のサブタイトルはア・ラ・モードということで、流行の最先端?「即興仙人」。

自然体な即興仙人さまには、笑わされたり、ほっとさせられたりしました。久しぶりに「人生は即興じゃ」も出ましたね。確かに、人生は台本のない物語かも……。

そして、今回はゲストとしてチリアクターズさんが参加。仙人さまはチリ人にこだわっていらっしゃいましたが──チリアクターズってそのチリ!?もちろんチリ出身の方はいないけれど、二重国籍問題まで出てきて笑ってしまいました。

MC咲田さんのコメントはさすがです。言葉のチョイスが面白くて、両端とか、エンドレスとか、色々と想像してしまいました。エンドレスに生まれてくる山本さん!?

チーム「ヒューマン・スクランブル」 お題「気になる隣人」

季節柄かホラーな感じの物語に。何が起こっているのか?あの人は誰なのか?先の展開がまったく予想できなくてハラハラしてしまいましたが、最後にはまとまってほっとしました。

隣人に家を覗かれたり、夫の心臓が止まったりしては、アヤミ(大累さん)が途方に暮れるのもわかります。死線が出ている、心臓が止まっている、という夫(塩崎さん)の衝撃発言には思わず笑ってしまいました。

「お隣の二木です」と二木さん(二木さん)が入ってきたときには、例のお隣さんが来た!と思いましたが、まさか別のお隣さんだったとは!それから謎の女性(曽我さん)がするりと部屋の中に入ってきたので、こちらが例のお隣さんなのかな?と。

老人がおばあさんではなくおじいさん(簑島さん)で、謎の女性の方がおばあさんだったのには、なるほどと思わされました。最後はちょっといい話になってよかったです。

チーム「チリアクターズ」 お題「間違えて降りてしまった駅」

チリアクターズさんの即興は、劇団メンバーとはまた違った雰囲気で新鮮でした。キャラクターや物語の設定がしっかりしていて、はじめから決まっていたよう。皆さん探り合いながらも自然体で、チームワークを感じさせられました。

マイペースでのびのびとしたカナ(竹村さん)が登場するシーンから、周りの駅の風景が見えてきました。さらに、ゴルフの練習をする不思議な男の子(池谷さん)や、そのボールを律儀に拾う田舎の女性(衣織さん)が現れ、謎めいた「んずらず」の世界へと引き込まれて──。

男の子と絡みつつ、この世界を見守るような頼もしいお父さん(大島さん)。そして、ブレスレットを通じてカナとこの世界をつないだお姉さん(涼香さん)。最後は設定が上手く回収されて、心に残る不思議な物語になっていました。

チーム「ファンタジー・ファミリー」 お題「こたつ」

真夏にこたつでどんな話になるの?と思いましたが、まさか、あの彼(山本さん)が卵から生まれてくることになるなんて!?衝撃的過ぎて、笑いが止まりませんでした!!「ママ!」は忘れられません!

ポータブルこたつだと言って強引と売りつける訪問販売員(水野さん)や、そのこたつで卵を孵して儲けようとする不思議な少女(西村さん)と、個性的なキャラクターが次々と問題を引き起こしていって楽しかったです。未来で虐待されていたカヨの子どもだ、と明かす謎の女性(伊藤さん)にも驚かされました。

そんな個性的なキャラクターたちに囲まれて、不可思議な事態に翻弄されるカヨさん(中村さん)に共感して観ていました。卵から生まれた彼にママ!と言われては、逃げ出したくなりますよね。

二日目、まさか、仙人さまが途中でこっそり逃げ出そうとなさるとは!今までずっと観てきましたけれど、こんなの初めてですよ!

そして、チリアクターズの皆さんは、とても楽しそうに舞台に立っていらっしゃって。やはり主宰の年齢はネタにされてしまうのですね。

チーム「ヒューマン・スクランブル」 お題「不思議なカフェ」

始まりは静かな雰囲気でしたが、途中からヒューマンがスクランブルして、誰が誰だか複雑になり過ぎてしまいましたね。

可愛らしい店長さん(曽我さん)の、その人が見たいと思う人の顔に見える、という設定が面白かったです。お客のアヤミ(大累さん)とのやり取りにも、くすりとさせられました。

触っていいですかと手を握り、形見のブレスレットまで渡してしまうお客の二木(二木さん)。失踪していたのに警察から逃げ隠れしたりと、その行動が面白かったです。

冷静に対応する店員さん(簑島さん)。そして、警察(塩崎さん)が出てきたのはよかったですね。

チーム「チリアクターズ」 お題「無人島のポスト」

誰もいない場所で一人途方に暮れている──ってデジャビュ!?

6人のチームのお題が無人島になってしまって、全員出演できるのかとハラハラしました。でも、最後は怒涛の展開ののち、余韻を感じさせるまとめ方になっていて、いいお話だったと思います。

導きの言葉「手紙を出してみた」「手術は成功した」の解釈の仕方で、新たな方向へと進んでいって、最終的にこの形になって、と物語が生まれていく過程が面白かったです。

無人島に流れ着いても、助けを求めることより生活することを考えてしまう、たくましくイオリ(衣織さん)。そんなイオリの前に現れた不思議で捉えどころのない少女カナ(竹村さん)。二人のいっときの友情も素敵だけれど、「ポストがあるところならどこへでも行く」という郵便屋さん(大島さん)の謎めいた雰囲気も素敵。

無人島に定期便を出している細いの(池谷さん)と大きいの(上田さん)のコンビも個性的なキャラクターでした。

無人島はこの世界とは別の場所なのでしょうか。狭間、境のような……。イオリとこの無人島とをつないだ友人カナ(涼香さん)。そして、無人島に一人残る少女カナ。切ないような、余韻を感じるような物語でした。

チーム「ファンタジー・ファミリー」 お題「4時44分」

どこか不思議な空気を醸し出している少女エミリ(柳田さん)。そのエミリを「トロい!」と責め立てる厳しい先輩(水野さん)。娘を溺愛して甘やかしてしまうデレデレな父親(山本さん)。そんな面白くて個性的なキャラクターたちを、勢いよく叱咤したり論破したり──中村さんの演じる女性は、強くて格好よくて、とても面白かったです!先輩に向けて放ったセリフの容赦なさといったら!

そして、彼女がエミリを見守り続ける母親というのがよかったですね。もう一人の女性(伊藤さん)の登場で、彼女がこの世の存在ではないこともすぐにわかって。

一日目は季節柄かホラーの感じの物語、二日目は「今はいない人」とのつながりを感じさせる物語──。

役者さんごとに導きの言葉の解釈が違い、意図していることが違っている中、探り合い、コミュニケーションを取り合い、チームで一つのストーリーを作り上げていく難しさを感じました。

先の展開を考え、字数制限?がある中で導きの言葉を選ぶ仙人さまも大変ですね。長考やフェイントも観ている方は楽しいですけれど。

ヒューマンがスクランブルして予想のつかないヒューマン・スクランブル。物語で魅せるチリアクターズ。そして、個性的なキャラクターで攻めるファンタジー・ファミリー。

ぜひ今度は、チリアクターズさんと劇団メンバーとの混成チームで観てみたいです!